banruのブログ

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不道徳教育講座

三島由紀夫の不道徳教育講座を読んだ

この本の"できるだけ自惚れよ"にある下の文章好き

 謙遜ということはみのりのない果実である場合が多く、又世間で謙遜な人とほめられているのはたいてい偽善者です。ある大学教授は文章の中で、自分のことを、「私ごとき一介の老書生」とか、「哀れな一語学教師」とか書く趣味がありますが、誰がこれを本当の謙遜だと思うでしょうか。
 「みのるほど頭の垂るる稲穂かな」などという偽善的格言がありますが、みのればみのるほど頭が重くなるから垂れて来るのが当たり前で、これは本当は、「みのるゆえ頭の垂るる稲穂かな」と直したほうがいい。高い地位に満足した人は、安心して謙遜を装うことができます。

これ読んで爆笑した。